まだまだ夢の途中

一期一会**穏やかな日々の中で**

彼岸花で思い出す 宮部みゆき作品

あずみん


今週はシルバーウィークで お彼岸でもあるのですね。

そしてこの時期の花と言ったら、彼岸花。

不思議な事に 毎年きちんとこの時期に合わせて咲く花です。



友人から、横浜の西方寺に行ってきたと メールをもらいました。

西方寺というのは茅葺き屋根の建築で 彼岸花の名所だそう。

写真がみな、どれも綺麗に撮られていて

山門に続く道には 赤・クリーム色・黄色、

境内にはピンク色と 様々な色合いが目をひきました。

たしかに・・・神秘的で不思議な魅力のある花です。


***


彼岸花といえば・・・

私が子供の頃、周りから言われたこと、

「彼岸花を持ち帰ると家が火事になる」

今でもはっきりと覚えていて、

子供ながらにその赤色が恐ろしく、気味が悪いと思ったものです。


美しい花なのに そのように言われてしまうのは

花色や花姿が炎を連想させること、彼岸花のもつ毒によるものとされていますが

最近ではあまりそんな迷信や イメージに拘らないのかな。


みなさん、府中市郷土の森博物館、日向薬師、水元公園、昭和記念公園など、

名所といわれる場所へ足を運びますよね。



***



そして毎年この季節、

この花を見るたび思い出すのが、宮部みゆきの短編小説「おたすけぶち」


このアンソロジーの中の一話です♪



亡くなったはずの兄を探す妹が、やがて村の恐ろしい秘密へと巻き込まれていく

ちょっとホラーのようなミステリー小説なのですが

その村へ兄を探しに行くきっかけとなるのが、彼岸花で染められた土産物屋のハンカチ。



彼岸花は 地方によっては「死人花」「葬式花」「墓花」などと呼ばれますが

この「おたすけぶち」はそのイメージがそのまま物語になったような作品です。


美しいけれど、人の人生を狂わせ、からめとる花。

愛と美しさと狂気にも似た執着。



蒔子が曼殊沙華の花で染めたハンカチに、雅号として「ITUKI」と記すのは・・・

死亡したとみなされ 戸籍上存在していない一樹を

このまま世間から隠しておきたい気持ちと同時に

私のものだと知らしめたい女ごころかなと。


白い彼岸花は 赤と違って 清楚でちょっと寂しい。


実際このように住民が団結した閉鎖的な村は

今でも地方の奥深いどこかに存在しているような気がして

誰の身にも起こりえるようなリアリティも感じましたし

だからこそ 日常に潜む恐怖であり、思わず引き込まれてしまう作品でした。

これからも毎年、この季節になると思い出すことでしょう。



もともと花をモチーフにした物語に興味があって

例えば 湊かなえの「花の鎖」

宮部みゆきだったら「侘助の花」などが好きです。



この「おたすけぶち」は好きか嫌いか・・・

何とも言えませんが、ものすごく印象に残る物語。


いつまでも忘れられない話なのは

私もこの花の毒にやられてしまったせいかもしれません。

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